2022年度ワーケーション需要の現状を知り、可能性を探る
- 2拠点生活
- ワーケーション
- 企業研修
- 地域課題解決
「ワーケーション」という言葉は広く知られるようになってきましたが、まだまだ大きなムーブメントとは言えないでしょう。ワーケーション需要の現状、そしてこれからの可能性について、じゃらんリサーチセンターのエリアプロデューサー・坪内氏と「南房総ワーケーション」コンシェルジュに聞きました。
ワーケーション需要の現状
ワーケーションという言葉を冠した企画やイベントは多く見かけるようになりましたが、実際のワーケーションはというと、個人利用が多く、週末をはさんで行うような形が南房総でも見られています。その理由として、コロナ禍が長引き、フルリモートではなく週に1回程度のリモートワークの企業が増えてきたこと、経済活性施策による旅行ムーブメント、コワーキングスペースやWi-Fi設備が整って外出先での仕事が当たり前になってきたことなどが、要因として挙げられます。
つまり、ワーケーションがカジュアルに個人が実践可能なことになっている一方で、しっかりと長期でバケーションを過ごす欧米式のワーケーションは日本ではまだまだ難しいという現状が分かってきました。これは、バケーションという感覚の薄い日本ならではの傾向ではないかと考えられます。
また、この傾向は都心と田舎を週末に行き来する「二拠点生活」にも通ずるものがあります。長期でなく数日間の滞在である、現状の日本でのワーケーションと「二拠点生活」が近くなってきており、二拠点生活者の多い南房総は日本的ワーケーションと相性が良いと考えられます。
じゃらんリサーチセンターが人口規模の大きい都市に絞って実施したワーケーション調査でも、実現に近い層ほど短期日程で複数回行きたいという傾向が出ています。
また、ワーケーション実施への意向度は約46%。
中でも、ワーケーションに興味を持ったきっかけとして、自分の趣味・ライフワークをもっと楽しみたくなったという回答が多くありました。
さらにライフワークの内容分析では、キャンプや釣り、登山などのアウトドアやツーリング、サイクリングなどアクティブ系の趣味が多く、南房総でニーズを満たせるものが多くみられました。
こういった需要に対し、通常の観光マーケットよりもターゲッティングをタイトにおこない、情報提供をしていく必要があると考えられます。具体的には、コロナ禍での旅行ムーブメント後の施策、平日稼働に向けたアプローチが重要ではないでしょうか。
企業研修型ワーケーションの可能性
個人ワーケーション需要へのアプローチも大切ですが、やはり法人へのアプローチは必要になってきます。
現在、ワーケーションの概念として、本来の意味である「ワーク+バケーション」という捉え方のほかに、チーム内でのコミュニケーション、地域との交流や関係人口増をメインとした「ワーク+コミュニケーション」、いま話題の越境学習やSDGs、体験学習に着目した「ワーク+エデュケーション」という捉え方が生まれてきています。
そして、その考え方を生かした企業研修型ワーケーションが注目されつつあります。
南房総でも企業研修型ワーケーションに近く、人材育成の要素を持った異業種混合の社会課題解決プロジェクト「ALIVEプロジェクト」が今年度開催されました。
関連リンク『次世代リーダーをワーケーションで育む「企業研修型ワーケーション」のメリットとは』 https://minamiboso-workation.jp/feature/550
このイベントに協力したことで、「南房総ワーケーション」の広報効果があがり、プロジェクト動画を見た中堅起業からのコンタクトが複数ありました。
世間一般に知られている大企業へのアプローチは時間がどうしてもかかりますが、世の中への影響力が大きいのは確かです。大企業へ啓発的なアプローチ活動をしつつ、中堅企業やベンチャー企業といったフットワークの軽い法人との連携を深めていくような流れを作る必要があるのではないでしょうか。
最先端の地域課題を房総半島の最先端で
「南房総ワーケーション」がワーケーションの意義としてウエイトを置いているのが「地域課題解決」です。地域として危機感があるからこそ、南房総には地域課題を深堀りする用意があります。また、都心からの距離感や海山のロケーションなど元々のリゾート地としてのポテンシャルが高いこともあり、利用者それぞれのバランスにあったワーケーションを選択、提案することが可能です。
南房総の地域課題である、高齢化・少子化・環境問題などは、いずれ日本全国で発生し、日本全体で取り組むべき課題となります。
課題への気づきの場、そして気づきを新たなビジネスシーズや企業経営指針の見直しへつなげていく第一歩として、「南房総ワーケーション」を体感してみてはいかがでしょうか?
ワーケーション自体が変化し進化していく中、前向きなきっかけとしての「南房総ワーケーション」をご提案します。