「地域課題総論」活用法〜課題を知ることが新規事業の『種』になる
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「地域課題」という言葉を聞いて、なんとなくイメージはできても具体的には分からない…と感じる人は少なくないでしょう。実際、人口が多く便利な施設が多い都心部ではなかなか地方の地域課題を日常で感じることは難しいのが現状です。ただ、地方の地域課題において起点とされる人口減少や少子高齢化、環境汚染などは近い将来日本全体が直面する「社会課題」であり、SDGsへの取り組みやESG経営などの観点でも、地方だけの問題ではないのです。
そう考えてみると、「地域課題」解決のためのコンテンツは「新規事業」のチャンス。そのチャンスの『種』を見つける手段としておすすめなのが、自然が豊かで地域課題も多く存在する千葉県南房総でのワーケーション。今回は特に、リアルな地域課題を肌で感じ、学ぶことができるアクティビティ『地域課題総論』にクローズアップし、『地域課題総論』を提供する主催者に話を聞いてきました。
『地域課題総論』とは?
話を聞いたのは、南房総で地域課題に取り組む合同会社AWATHIRD代表の永森さんと地元金融機関・館山信用金庫支援部係長の佐久間さん。永森さんはシェア里山・ヤマナハウスの運営者でもあります。まずは『地域課題総論』とは何なのか、聞いてみました。
「『地域課題総論』は、農業・漁業・獣害・流通・経済・教育・空き家・人口減少などの全国各地で見られ南房総でも顕著な地域課題を一通りレクチャーするものです。地域課題への理解をこちらからのプレゼンテーションで深めたあと、その課題に関するディスカッションを参加者同士でしてもらい、課題解決の糸口やローカルビジネスのヒントを探ります。合わせて約2時間ほどのプログラムになっています。様々なところに出張してレクチャーいたします」
「講義的なパートとブレーンストーミング的なパートを組み合わせることで、より理解が深まり参加者のコミュニケーションが促進できる構成になっているのがポイントですね。企業研修でのディスカッション研修にもおすすめですし、知りたいテーマやブラッシュアップしたいローカルビジネスアイディアを事前にご相談いただければそれに沿った内容にすることも可能です。企業の新規事業開発や企業研修、SDGs・ESG経営にむけた意識向上や情報収集、ローカルビジネスを考えている人などにピッタリのアクティビティです」
南房総的『地域課題総論』で得られるもの
では、南房総で『地域課題総論』を学ぶメリットは何でしょうか?
データに基づいた説明を担当する佐久間さんは、
「インターネットで調べるだけでは分からない地元の情報が得られることがメリットですね。資料は館山信用金庫の地元に精通した地域密着型の金融機関ならではの地域情報と分析をもとに作成しています。当金庫が発行している南房総エリアに限定した『たてしん中小企業景況レポート』や実際の事業者の話などから、よりリアルな情報をお届けできると思います」
事例紹介とディスカッションを主に担当する永森さんは、
「私は移住者で、地域課題解決や南房総エリアの関係人口増に関する事業を複数展開しているのですが、地域課題はネガティブな面ばかりではなくポジティブな側面としてビジネスの『種』になると捉えています。その経験を活かし、実際の活動も紹介しながら、ディスカッションを実りあるものにできると思います」
地元のリアルな課題と外からのアプローチ、両方の実践者から話を聞けるのは大きなメリットになるでしょう。
たとえば、永森さんが具体的に携わっているプロジェクトしては、「有害鳥獣対策」と「観光(宿泊施設)」と「関係人口」における地域課題を掛け合わせて企画された『南房総2拠点ハンターズハウス』、「地域流通」における地域課題をベースに、「二次交通(スモールモビリティ)」「貨客混載」といった解決策を提案する『Local Circuration Platform』構想といったものがあります。地域内外がクロスオーバーする事業は地域そして、都心ともほど近い千葉県南房総ならではの動きといえます。
さらに、南房総ワーケーションコンシェルジュでもある永森さんからは、
「南房総ワーケーションでは、『地域課題総論』だけでなく、南房総特有のバケーションを楽しんだり、参加者のコミュニケーションを促進したりするアクティビティhttps://minamiboso-workation.jp/activityを多数用意しています。『地域課題総論』は他のアクティビティと組み合わせしやすいので、複数を組み合わせて、リフレッシュも含めたより充実したワーケーションにしてほしいですね。南房総に関わる第一歩としてもおすすめですし、ワーケーションに来る前の準備としてオンラインや都心への出張でも『地域課題総論』を開催することは可能です」
「それから、『地域課題総論』の会場になっているヤマナハウスも南房総らしいスポットのひとつ。築300年以上の古民家で周囲は里山に囲まれています。里山は循環型の環境を残しているので、座学と一緒に里山を少し歩くとより身近に地域課題を感じてもらえるのではと思います。ヤマナハウス自体は月に2回地域内外のメンバーが集まって交流する月例アクティビティを行っているので、一緒に参加してもらうこともできますよ」
千葉県南房総という都心に近いエリアで、地域課題という大きな問題を現地でリアルに感じられる仕組みがつまった『地域課題総論』。南房総ワーケーションの最初のアクティビティとして、自信をもってオススメします。