ビーチクリーンで、海を楽しみながらSDGsを考える時間を【南房総ワーケーション事例紹介】
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「ビーチクリーン」という言葉は知っていても、実際に経験している人は案外少ないのではないでしょうか。単純に訳すと「海岸清掃」という意味を持つビーチクリーンですが、現在はSDGsへの興味関心の高まりとともに、「海岸を清掃しながら、海洋ごみについて考える場」の側面が大きくなってきています。
また、ビーチクリーンは準備がほとんど必要ないアクションなので、気軽にSDGsへの取り組みが始められると注目されているのです。
そこで、今回はビーチクリーン活動を南房総で行う団体に密着取材。ビーチクリーンについてやオリジナルのワーケーションアクティビティとしてのポイントを探ってきました。
ビーチクリーン当日をレポート
4月末に行われたビーチクリーン当日は晴天。涼しい風が吹くビーチクリーン日和になりました。
今回のビーチクリーンは、千葉県千葉市にある「プロデザインスタジオ」社と「千葉愛の教会」の共同開催。南房総市観光協会と大房岬自然の家のバックアップで行われ、一般参加者や地元企業など30名以上の参加者が集まりました。
会場は大房岬自然公園内のタイマイ浜。駐車場に集合し、早速海へ向かいます。海へ向かうルートは森の中。春の新緑が美しく空気もきれいで、歩くだけで気持ちが安らぎます。森を抜けた先に海が見えたときは参加者から小さな歓声もあがりました。
海に到着後は、プロデザインスタジオの山口俊也代表から「海の環境問題に目を向けながら、海を感じ楽しんでビーチクリーンの時間を過ごしてください」と挨拶があり、ビーチクリーンがスタート。広い砂浜へごみ袋やトングを持って向かいます。
大きな流木、車の部品のような大きなごみからビニール袋やペットボトル、バラバラになって小さくなったプラスチック片などが、拾われていきます。
小さな子どもと参加したファミリーは、ゴミを拾いながら、子どもの集めるきれいな貝殻やシーグラスと呼ばれるガラスの漂着物も一緒に拾って楽しんでいました。
30分ほどで集合がかかり、休憩。そのあとは、マイクロプラスチックと呼ばれる5ミリ以下の小さなプラスチックごみをフルイを使って探します。
マイクロプラスチックは、SDGsにも掲げられている海洋汚染問題の原因の1つと言われ、分解されずに海を漂い続け化学物質を吸着して運んでしまったり、魚などの海洋生物に食べられてその海洋生物に影響を与えてしまったりしています。
今回集まったマイクロプラスチックや小さなプラスチックごみを使って、プロデザインスタジオが提案するプラゴミアートをする予定でしたが、人数が多く時間も予定を過ぎてしまったため、割愛。(後日プロデザインスタジオにてアートを完成させるそうです。)
最後に集合写真を撮って、お昼過ぎに解散となりました。
ビーチクリーンはSDGsを考える大きなきっかけ
去年の夏ごろから、拠点である千葉市周辺と出身地である南房総でビーチクリーン活動を始めたというプロデザインスタジオの山口さん。
SDGsと南房総でのビーチクリーンの関係を聞きました。
「南房総は都内から近いのに三方を海に囲まれた最高の立地。日帰りでもこの環境に身を置けるのはいいですよね。都会で日常を過ごす人にとっては、すぐに非日常を感じられます。その時に、南房総の海のビーチクリーンというイベントが組み込めれば、南房総の環境とも地元の人ともつながれるし、地域との密着度も上がる。また、SDGsを身近に感じて考える大きなきっかけになるのではと思い、活動しています。」
南房総ワーケーションでもSDGsを考えるアクションを
南房総ワーケーションでは、今回のビーチクリーンと同じ大房岬自然公園のタイマイ浜で「世界とつながる砂浜ビーチコーミング」のアクティビティを用意しています。
ビーチコーミングとは、砂浜に流れ着いた貝殻やシーグラス、海洋ゴミなどを回収、観察するアクション。ビーチクリーンの振り返りと一緒で、この漂着物がどのようにしてここに運ばれたのかなどを考えることで、海でつながる世界に思いをはせたり、海のSDGsについて考えるきっかけになります。
視野が広がったり、イメージする力がアップしたり、波音を聞きながら散策して気持ちがリフレッシュしたり、といったメリットも多くある人気のアクティビティです。
まずは、南房総ワーケーションでビーチコーミングをお試し体験し、気付きを得たら、周りにシェアしましょう。その際にオリジナルのアレンジがあるとベスト。シェアすることで、人とのつながりが生まれたり、自分自身の達成感につながったり、新しい気付きが出て来たりして、「その先」へ進めるアイディアが湧いてくるはずです。
今回の地域をつなげるためのビーチクリーンイベントやビーチコーミングアクティビティは、南房総を活かしたワーケーションの形のひとつ。南房総ワーケーションの「その先」はまだまだ多くの道につながっていきます。
取材協力:プロデザイン スタジオ
http://prodesign-studio.space/index.html